6月の御言葉
ありとあらゆる病気や患いをいやされた。
また、群衆が飼い主のいない羊のように弱り果て、
打ちひしがれているのを見て、深く憐れまれた。
そこで、弟子たちに言われた。
「収穫は多いが、働き手が少ない。
だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、
収穫の主に願いなさい。」 (マタイによる福音書9章35〜38節)
収穫の主に願い求めよう
衝撃的な事件が起きました。
長野県で起きた立てこもり事件で、4人の命が奪われました。逮捕された容疑者は、悪口を言われたと思って、女性を刺し、射殺されると思って警官を撃ったと、供述しているそうです。
嘆かわしい事件が後を絶ちません。強盗事件、詐欺事件はますます頻繁に起こるようになっています。市民を守る筈の警察官自身の不祥事も、毎月何件も報道されます。かつては『聖職』と呼ばれた教師の性犯罪は嫌になるほど多く、先日は、教師による強盗殺人事件まで起こってしまいました。
本当に、この世は病んでいます。しかし、特別おかしい人たちが出てきたということではなく、 もともとの私たちの病、罪の性質が、如実に露わになる世の中になってきたということなのだと 思います。
インターネット、SNSによって、気軽に誰とでもつながり、悪しき情報は簡単に手に入り、『闇バイト』など、犯罪への敷居が低くなりました。自己実現や個人の志向が、自由や権利と混同され、それに対する制限が、受け入れられなくなってきました。自助社会の名のもと、自社、自分のみの利益の追求が、容認され得る格差社会を、政治は助長どころか、推進しているように見えます。そのような社会では、ばれなければ何をやってもいい、もうかれば何でもいいという、安直な考えで行動する向きが多くなるのも、当然ではないでしょうか。
かつてイエスさまは、町や村を残らず回って、会堂で教え、御国の福音を宣べ伝え、ありとあらゆる病気や患いをいやされました。それは、群衆が飼い主のいない羊のように弱り果て、 打ちひしがれているのを見て、深く憐れまれたからです。
今の世は、まさに、飼い主のいない羊がさまよう世であります。傷つき、打ちひしがれ、病んでいるゆえに、すべきことをせず、安直に犯罪に手を染めてしまうのです。飼い主であるイエスさまのもとに導かれ、癒やされることこそが、唯一の救いです。そのためにイエスさまは、私たち一人一人を遣わし、御国の福音を宣べ伝え、この病む町々を救おうとされています。
そのために必要なのが、神学校です。人々の救いのために、働き手が足りません。私たち一人一人を、働き手として育て、送り出すのが、神学校の役割なのです。
6月11日(日)は、神学校日礼拝です。神戸ルーテル神学校をはじめ、すべての神学校が祝福され、主が神学校を通して、働き手を送ってくださるよう、心を合わせて祈りましょう。
(牧師 北山 琢)
- 2023.06.04 Sunday
- 牧師から
- by 桔梗が丘ルーテル教会