4月の御言葉

子よ、お前はいつもわたしと一緒にいる。わたしのものは全部お前のものだ。
だが、お前のあの弟は死んでいたのに生き返った。いなくなっていたのに
見つかったのだ。祝宴を開いて楽しみ喜ぶのは当たり前ではないか。

                    ルカによる福音書15章31,32節



すべての人を祝宴に招く
 ある人に二人の息子がありました。弟の要求に応じて、父親は遺産を二人に生前分与してやりました。それを手にした弟は家を飛び出し、遠い国へ旅立ち、放蕩の限りを尽くして全財産を使い果たしてしまいました。ひどい飢饉が起こって、食べる物に窮し、頼った人には禁忌である豚の世話をさせられますが、豚のエサすら口にすることが出来ませんでした。彼は我に返って、父のところに帰って罪を告白し、雇人として養ってもらおうとします。息子と呼ばれる資格もないのだから、と。
 ところが、父親は遠く離れたところで早くも息子を見つけ、憐れに思って駆け寄って抱きしめ、接吻しました。上等の服、指輪、履物を着させ、肥えた子牛を屠って祝宴を始めました。畑から帰った兄は、その知らせを聞いて立腹し、家に入ろうともしません。すると、父親は、外に出てきて、なだめるのです。兄は、何年もまじめに父に仕え、言いつけも守ってきたのに、友達との宴会に子山羊一匹すらもらえなかった、それなのに、身上を食いつぶした弟には、肥えた子牛を屠ってもてなすのか、と怒りをぶつけます。それに対する父親の言葉が、冒頭の御言葉です。有名な『放蕩息子』のたとえです。

 私たちは、神さまのもとで生きる素晴らしさがわかりません。自分の人生は自分のものだ。誰にも束縛されず、好き勝手に生きていきたい。財産さえあれば、それでいい。そんな風に思います。しかし、その行き着くところは滅びです。何もかも失っても、この弟のように、父なる神さまのもとに帰ろうと思うことが出来れば、幸いです。
  神さまは、息子の帰還を今か、今かと待っていてくださいます。『憐れに思う』とは、神さまにしか使われない、「腸のちぎれるような思いに駆られる」という言葉です。それほどまでに思って駆け寄って抱きしめ、御国の祝宴に与らせてくださるのです。
 ところが、兄の方は、弟に嫉妬し、弟とも認めず、祝宴に出ようともしません。放蕩の限りを尽くした弟を、父が愛情たっぷりに受け入れ、もてなすことに腹を立てます。弟のことを、『あなたのあの息子』と皮肉な呼び方をし、批判します。自分はずっと父に『仕えている』と言うとき、『奴隷として仕える』という言葉を使っています。実は兄も、父のもとで生きることを喜んでいないのです。その素晴らしさが解っていないのです。嫌だけれども、我慢して従っているのだ、それなのに、そんな自分には何の報いもなく、放蕩息子の方に愛を注ぐのか、と言うのです。
 
 イエスさまは、ファリサイ派や律法学者たちに向かって、このたとえを話されました。彼らは、イエスさまが、御許に来て話を聞こうとする徴税人や罪人を受け入れ、食事も共にされたことが不満だったのです。ファリサイ派や律法学者たちが兄、徴税人や罪人が弟です。父なる神さまは、弟だけでなく、兄のことも慈しんでおられます。僻んで家に入らない兄のもとへ行き、なだめる。『なだめる』というのは、そばに呼び寄せるというのが原義です。そこから慰め、励まし、諭すという意味に広がります。この言葉の名詞が助け手、慰め主という言葉で、神さま、御子イエスさま、ご聖霊のことを言い表します。

 神さまは、すべての人が御許に帰り、救われ、御国の祝宴に共に与ることを望んでおられるのです。放蕩している者も、自分を正しいと思っている者も、実は自分勝手な歩み、自己中心的な歩みをしているという意味では同じです。しかし、神さまは、どちらであっても祝宴に招いておられるのです。 
 神さまは、ご自分から離れて放蕩している私たちを、また、自分を正しいと思って人を見下す私たちを、自分勝手な滅びの道から、何とか御そばに引き寄せ、生きるようにと望まれました。大切な御子イエスさまを身代わりにするほどまでに、私たちを愛してくださいました。イエスさまを十字架に架けて殺し、そして復活させることによって、私たちが罪から救われ、御許に帰って生きる道を開かれたのです。
 イースター、復活祭は、御国の祝宴です。イエスさまが復活されたことを感謝し、お祝いすることは、私たちが罪と死から救われ、イエスさまの命に与る喜びです。実は、神さまご自身が、私たち放蕩息子の帰還を心から喜び、お祝いしてくださる、その祝宴に与ることなのです。この喜びを、多くの方と共に味わいたいと願っています。
                              (補教師:北山 琢)

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